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【SASAU】細部までデザインされたデスクパーテーション ・2021年度グッドデザイン賞受賞

在宅勤務を支えるツール「SASAU」/組み合わせて使えるパーティション

いつものリビングで、いつものように働く

2020年の新型コロナウイルス拡大を契機に急激な勢いでテレワークが社会に普及しました。ワーカーは自宅で仕事をすることを余儀なくされると同時に、在宅勤務における様々な課題が浮き彫りとなりました。
アクティビティデザインを行うNADではその課題を解決するため、家族の多様な活動を”ささえる”ツール「SASAU」シリーズを立ち上げ、緩やかに空間を仕切るパーティションをデザインしました。

2021年度グッドデザイン賞を受賞しました。
https://www.g-mark.org/award/describe/52227?token=NxX4qXyJxA

審査委員の評価
コロナ禍においてパーテーションが世の中に普及し、その存在自体は決して明るい物では無く、むしろ仕方なく置くといったマイナスのイメージが付き纏ってしまう。
そんな中、このSASAUはパネルを支えるパーツにブナの無垢材を使用し、あたかも積み木のような佇まいで机に固定させている。
子供だけでは無く、大人も何だかポジティブな気持ちになれるような商品である。四角と丸形状のバリエーションがあり、取り付けるとインテリアの一部としての要素も感じる事が出来る。

 

家族と共有するリビングでは集中しにくい、日本の狭い住環境では書斎などのワークスペースを持てない、在宅勤務の長期化に向けたワークデスクなどの大きな什器を入れるスペースもないなどといった問題を抱えるワーカーが多く見られます。
新たな家具を買うのではなくちょっとした道具を付け加え、いままでダイニングだった場所がワークスペースに変化する。そして、すぐに食卓として利用することもでき、生活と仕事が両立できる。
そのような発想から「文具以上家具未満」をコンセプトに、組み合わせて使うパーティション「kaku /maru / shikaku」を考案しました。

ご購入はこちら
https://galleryshop.copack.co.jp/search?q=sasau

 

緊急事態宣言下でのデザイン

SASAUシリーズ kaku / maru / shikakuは2020年4月のコロナウイルスによる緊急事態宣言をきっかけに生まれたプロダクトです。
コロナウイルス拡大以前からNADメンバーはテレワークを導入していたため、互いがリモートで働くことには慣れていました。しかし、NADでも在宅勤務を強いられたことで、自宅をワークプレイスとして使用する際の課題が浮き彫りとなりました。
自体験やネットニュースのみならずSNSでの在宅勤務に関するアクティビティリサーチや周辺の関係者・知人へのヒアリングを行いました。結果、在宅勤務の課題を以下のように考えました。

・集中するために生活と物理的な遮断が必要であるが、書斎を構えることはできない。
・自宅の仕事環境を整えようにも、オフィス家具は日本の狭い住環境には大きすぎる。
・家具を新調しようにも住環境を悪化させる可能性もあり、家族の理解が得られない。
・結果、家族と共存するリビングやダイニングで仕事をしなければならない。
このような課題から、NADではこれからの住宅でのアクティビティを再考することとしました。

コロナ禍を経てテレワークが一般化するだけでなく、再びパンデミックが訪れる可能性も否定できません。今後住宅はより多様なアクティビティを受け入れることが求められます。これまでの豊かな生活を損なうことなく自宅でのより良い仕事環境を整備するには、生活様式や環境を一新するのではなく、これまであった生活に仕事というレイヤーを重ねることが重要だと考えています。

・持っている家具に付加できる適応性
・住宅で使いたくなるサイズや素材
・どこでも持ち運べるような軽さや収納性
・大人だけでなく子どもも使える共有性
・仕事道具だと思わせない、生活の中にあっても違和感のないビジュアル
・コロナ禍以降も使用し続けられる汎用性
といった観点から、「文具以上家具未満」をコンセプトに、組み合わせて使うパーティション「kaku /maru / shikaku」を考案しました。

文具以上家具未満

土台となるkaku / maruは、クランプ型とスタンド型があり、クランプ型はしっかりと固定することができるため、子どもがいるリビングでも安全に利用できることが特長です。また住宅にフィットするように無垢材(ビーチ)を使用しています。パネルとなるshikakuはアクリル・カラー段ボール・衣類の再生材といった7種類のバリエーションがあり、お好みの土台とパネルを組み合わせることで空間にフィットしたワークスペースを作り出します。

kaku

kakuはエッジがきれいなキューブ状のパーティションスタンドです。スタンドを2つ合わせると立方体になり、パーティションとして使用していなくても、クランプと合わせてオブジェのような装いになるようデザインしています。住宅に限らずオフィスや店舗でも上質な空間へと引き立てます。

maru

maruは生活に溶け込むなめらかなフォームのパーティションスタンドです。木の暖かさからいつまでも触っていたくなるようなやわらかな佇まいがあり、こだわりの文具のように長く愛用いただけるデザインとなっています。

shikaku

shikakuはkakuやmaruと合わせてご使用いただけるパーティションパネルです。
やわらかい表情をしたマット加工のアクリルや転倒しても安心な軽量の段ボール、衣類の再生材を利用した素材など用途や空間に合わせてお選びいただけます。

組み合わせ、自由自在


kaku / maru / shikakuは各パーツを組み合わせて使うパーティションです。
ライフスタイルやワークスタイル、ご使用いただく空間に合わせて様々な組み合わせ方ができます。
必要な個数のクランプとスタンドをお選びいただき、お好みのパネル(shikaku)と組み合わせます。

住宅だけではない使い方

kaku / maru / shikakuは家庭での使用を想定しデザインしましたが、オフィスや店舗等での展開も目指してshikakuを特注サイズにするなどの検討を進めています。
今後、パーティションにとどまらず新たな生活様式をささえる新たなツールの開発を目指します。
kaku / maru / shikakuは2021年1月15日よりCPK GALLERY ONLINEにて販売開始いたします。

NAD

NAD(NIKKEN ACTIVITY DESIGN lab)は建築の設計監理、都市デザイン等を行う株式会社日建設計の中の、新領域をデザインする部署です。
建築や都市のデザインの枠を超えて、リサーチやコンセプトデザインや運営に加え、ソフトとハードのあらゆる領域のデザインに関わっています。「越境するデザイン集団」として、「社会と個人をアクティブに変える」ことを目的に、領域を越えた活動を展開しています。
Website:https://www.nikken.jp/ja/nad/

プロジェクト担当/勝矢武之・飯島敦義・上田孝明・恋水康俊・宮崎侑也
アートディレクション/後藤圭介
Photo/阿部良寛

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